社労士開業失敗の反省から学んだこと

社労士とは何か、定義、開業成功社労士の業務、起業とは何か、開業準備の全体像、顧問先を着実に開拓できる仕組み、他

社会保険労務士の本質

 厚生労働大臣が毎年行う社会保険労務士試験(社会保険労務士法第十条第一項)は、実質的に詳細な労働社会保険諸法令の試験ですので、多くの社会保険労務士試験合格者の方が「社労士とは労働社会保険諸法令の専門家だ」と考えていると思います。

 その考えは、例外的にあなたが社会保険労務士受験予備校の講師になる場合や労働基準監督官になる場合、労働組合の役員になる場合などは「正しい」と思いますが、

 一般的に、あなたが社会保険労務士事務所の開業を目指すのであれば、それは的外れなとんでもない「誤り」で、もし、あなたもそのように考えているのであれば、あなたは既に開業失敗への道を歩んでいることになります。

 社会保険労務士とは、正しくは企業の人事労務の専門家なのであります。

 この考えは私が開業失敗の反省から学んだ信念ですが、多くの社労士試験合格者の方は、これにすんなりとは同意できないであろうことが推測されます。

 なぜなら、私を含めて企業の人事労務の実務経験がない多くの社会保険労務士試験合格者の方は、企業の人事労務の専門知識をほとんど保有していませんので、この考えには大きな疑問を持たざるを得ないからです。

 しかし、労働社会保険諸法令は、企業の人事労務に絶対必要な知識に過ぎませんが、企業の人事労務は、労働社会保険諸法令の専門知識を活用応用すれば、社労士にふさわしいピッタリの仕事であることに注意してください。

 そして、社労士が報酬(労務の対償)を得るためには、知識を保有しているだけではダメで、仕事をしなければならないことにも留意してください。

 このため、社会保険労務士は、労働社会保険諸法令の詳細を知っている社会保険労務士から、人事労務という仕事が法令を遵守して適正にできる社会保険労務士にならなければならないのです。

 ただし、国家試験に合格する専門知識を保有していても、その専門知識を活用応用して仕事をしなければ報酬が得られないのは、弁護士、公認会計士司法書士等の他士業でも同じです。

 また、開業社労士は社労士事務所の経営者に該当しますので、労働者ではないことにも念のためご注意ください。

 それなのに社会保険労務士が、労働社会保険諸法令の専門家だという考えのままでいますと、つい「法令の専門家」としての道を歩もうとしてしまい、社労士は事業主(社労士の顧客)のために何の仕事をするのかが曖昧になってしまうのです。

 そうなってしまいますと、社会保険労務士は、事業主のニーズに的確に応える仕事ができなくなるのです。

 もっと具体的に言いますと、給与計算の専門知識がない多くの社労士試験合格者の方は、事業主の給与計算のニーズに応えるのが最も困難なため、給与計算の代行を安易に敬遠してしまいます。

 その結果、大変多くの社会保険労務士が事業主(社労士の顧客)にとって役に立たない存在になってしまい、社労士事務所の廃業に追い込まれているのが現状だと思います。

 このため、社会保険労務士試験合格者(社労士の資格保有者)の方は、労働社会保険諸法令の専門家から、必要な人事労務の専門知識を新たに整備して企業の人事労務の専門家にステップアップし、事業主のために法令を遵守した人事労務という仕事が実際にできる社労士にならなければならないのです。

 言葉を変えますと、社労士の試験に合格し、社労士の資格保有者でいる間は、労働社会保険諸法令の専門家であってもよいと思いますが、社会保険労務士として全国社労士会連合会の「社会保険労務士名簿」に登録するときは、企業の人事労務の専門家にステップアップしていなければいけないのです。

 したがって、社会保険労務士とは、労働社会保険諸法令の専門家ではなく、企業の人事労務の専門家なのです。

 さらに別の言い方をしますと、社会保険労務士の心髄は労働社会保険諸法令にあると思いますが、高額な報酬を得られる開業社会保険労務士になりたいのであれば、社会保険労務士の「本質」は企業の「人事労務の専門家」にならなければならないのです。

 社会保険労務士/社労士とは何か、その真実をもっと詳しく知りたい方は、

 ウエブサイト「社会保険労務士/社労士定義」を参照してください。

 社会保険労務士や社労士受験生の方のご健闘をお祈り申し上げます。

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