社労士開業失敗の反省から学んだこと

社労士とは何か、定義、開業成功社労士の業務、起業とは何か、開業準備の全体像、顧問先を着実に開拓できる仕組み、他

社労士と税理士の業際問題「再考」

 社会保険労務士が行う「給与計算」は、労基法、労災法、雇用法、徴収法、健保法、厚年法、介保法、等の労働社会保険諸法令に基づいて、主に給与の「総支給額」「労災保険料」「雇用保険料」「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料」を計算する業務です。

 これに所得税法に基づく「所得税」と地方税法に基づく「住民税」、最後に労基法に基づく「労使協定控除額」も加えて「差引支給額」を計算すれば、給与計算は完了します。

 ただし、年末調整を含めて「所得税」は給与計算の中で実際に代理計算しますが、「住民税」は地方自治体が計算した金額を控除するだけです。

 また、以下の議論は、所得税法上10種類の所得のうち「給与所得」の場合に限定したものですので、ご注意ください。

 社会保険労務士は、所得税法の本質的基礎知識と2年以上の実務経験が新たに必須になりますが、

 社会保険労務士は、所得税法上の適正な「給与所得」や適正な「社会保険料控除」等を計算できますので、年末調整を含めて適正な所得税の代理計算が可能です。

 これに対して、社会保険労務士の資格を保有していない税理士は、年末調整を含めて適正な所得税の代理計算が全くできないのが現実です。

 しかし、日税連はこの一部分だけでも否定したいのかもしれません。

 社会保険労務士の資格を保有していない税理士は、所得税法上の適正な「給与所得」や適正な「社会保険料控除」を計算できなくても、

 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、扶養控除、配偶者控除配偶者特別控除基礎控除、等の「所得控除」や住宅ローンによる「税額控除」等は計算できます。

 このため、社労士が所得税法上の適正な「給与所得」や適正な「社会保険料控除」「個人情報」等のデータを税理士に渡してくれれば、労働社会保険諸法令の専門知識がなくても、所得税の「年末調整」だけなら適正な計算ができますので、

 社労士による毎月の所得税の「代理計算」を問題にしているのではなくて、あくまでも所得税の「年末調整」についてだけ税理士法違反だ、と言っているのかもしれません。

 しかしそれは、社労士が所得税法上の適正な「給与所得」や適正な「社会保険料控除」「個人情報」等のデータを税理士に渡してくれれば、という話で、

 社労士の協力なしでも、税理士が単独で「年末調整」の適正な計算ができる、というものではありません。

 また、社労士による所得税の「年末調整」についてだけ税理士法違反だと言って、社労士による毎月の所得税の「代理計算」は税理士法違反ではないと言うのも、論理的に矛盾しています。

 何れにしても社労士は、単独で年末調整を含めて適正な所得税の代理計算が可能ですが、

 社会保険労務士の資格を保有していない税理士は、社労士の協力が無ければ、単独では年末調整を含めて適正な所得税の代理計算が全くできないのが現実なのです。

 そして、税理士法第一条(税理士の使命)は、税理士は納税義務の適正な実現を図ることを使命とする、と定めていますので、

 日税連が「税理士の使命」を果たすためには、

 税理士は年末調整もできないのですから、日税連は、社労士による年末調整を含めた適正な所得税の代理計算を推進しなければならないのです。

 日税連が、税理士法第一条(税理士の使命)の存在を忘れて、都合よく「税理士の独占業務」だけを税理士法から抜き出して社労士に対して主張しても、それは論理的に本末転倒なのです。

 社労士と税理士の業際問題について、もっと詳しく知りたい方は、

 ウエブサイト「社会保険労務士/社務士とは定義」を参照してください。

 社会保険労務士や社労士受験生の方のご健闘をお祈り申し上げます。

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